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世界的なEV化の流れを受けて、全固体電池関連銘柄への期待がさらに高まるかもしれません。
全ての材料が固体で構成される全固体電池は、EVやIoTで使われる次世代電池として世界的に開発競争が過熱しています。
特に、トヨタ自動車は全固体電池の特許数で世界トップとなっており、EVで出遅れているトヨタの切り札になることが期待されます。
全固体電池関連銘柄に注目していきましょう!
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目次
1.全固体電池関連銘柄とは?
本格的なEV時代の幕開けに向けて全固体電池の開発競争が過熱しています。
1-1.全固体電池とは?
全固体電池とは、全ての部材が固体の材料で構成された次世代電池です。
現在広く使われているリチウムイオン電池は、「正極」と「負極」を「セパレータ」で区切った上で、「電解液」で満たすという構成が一般的です。
全固体電池では、電解質を固体にすることが最大のイノベーションとなります。電解質を固体にできれば、正極と負極の接触を防ぐセパレータも不要になる点もメリットです。
従来の電池は、電解質に電解液を使っているため、蒸発や分解、液漏れが問題となっていました。また、電解液は可燃性であるため、温度が上昇すると燃えてしまうリスクもあります。
全固体電池に使われる酸化物系や硫化物系の無機系固体電解質は熱に強いため安全性が高く、液漏れの心配がありません。
さらに全固体電池は小型化が可能であり、高速充電もできるようになるなど数多くのメリットが指摘されています。
全固体電池はEV(電気自動車)やIoTの未来を変える次世代電池として注目されていますが、その実現のカギを握るのは、固体電解質の開発です。
全固体電池の実用化に耐える固体電解質の研究・開発は全世界で行われており、株式市場においても注目が集まるテーマとなっています。
1-2.2020年には全固体電池が待望されるニュースが相次ぐ
2020年は新型コロナ一色の1年となりましたが、経済やマーケット関連のニュースを見てみると、世界中で加速するEV化の流れから全固体電池が待望されていることは間違いありません。
マーケットでは、新型コロナの影響で従来の自動車株が苦戦する中、アメリカのEV大手テスラモーターズの時価総額がトヨタ自動車を超えるという衝撃的な出来事が起こりました。
これはつまり、世界中の投資家がEV化が自動車業界のトレンドであると認識していると見てよいでしょう。
さらに、アメリカ・カリフォルニア州や中国では、2035年までにガソリン車の販売を禁止する方針を打ち出すなど、米中両国が本格的にEV化を推し進めています。
アメリカ大統領選でも、パリ協定への復帰などの環境政策を目玉とするバイデン氏が勝利したことで、アメリカのEVはさらに加速するものと見られます。
そして日本でも、菅総理が10月26日に行った所信表明演説の中で、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすると宣言したことでEV化への流れができてきそうです。
世界的なEVトレンドを受けて、全固体電池の開発競争がさらに激化していくことは間違いないでしょう。
★注目ポイント1 |
・全固体電池とは、固体電解質を使った次世代電池。EV(電気自動車)で注目される。 ・2020年には、世界的にEV化が加速すると見られるニュースが相次いだ。 |
1-3.新規参入が続く全体電池
新型コロナウィルスの世界的拡大を受けて、製造業に関するニュースはほとんど話題にならなくなっています。
全固体電池のリーディングカンパニーでもあるトヨタ自動車にしても、人工呼吸器の製造をサポートするというニュースが最もピックアップされている状況です。
ただあまり話題にはならないものの、全固体電池に関する動きは水面下で進行しており、マーケットも密かに反応しています。
2020年4月20日付けの日刊工業新聞では、【1964】中外炉工業が全固体リチウムイオン二次電池の主要材料である電解質の製造装置に参入することが報じられ、同社は大きく買われました。
2019年12月には、【6976】太陽誘電が2021年度中までに全固体電池の量産計画を発表するなど、全固体電池には新規参入が相次いでおり、今後も主要企業の参入が続くものと見られます。
また、トヨタ自動車とパナソニックが共同設立した電池事業の新会社「プライム プラネット エナジー&ソリューションズ」は2020年4月1日から予定通り操業開始しています。
同社は、車載用のリチウムイオン電池に加えて、全固体電池の開発・製造・販売を手掛けていくということです。
★注目ポイント1 |
全固体電池は、全ての部材が固体の材料で構成された銘柄。電解液を使わず安全性が高いことから、EVや家庭用蓄電池などの分野で商用化が期待されている。 |
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2.全固体電池関連銘柄が上昇する理由と過去に上がった銘柄
全固体電池関連銘柄の株価動向を抑えておきましょう。
2-1.コイン形全固体電池を開発!【6810】マクセルホールディングス
自動車や理美容家電向け電池を手掛ける【6810】マクセルホールディングスは、全固体電池関連銘柄としても注目される銘柄です。
同社は、2020年9月20日、硫化物系固体電解質を用いたコイン形全固体電池を開発し、9月上旬からサンプル出荷を開始すると発表しました。
同社の株価は、2020年1月には1,470円を付けていました。コロナショック後にも株価は苦戦し続け、7月30日には836円まで下落。その後、株価は回復しており、2020年11月時点では1,100円前後で推移しています。
全固体電池のニュースでは一時的には買われたものの、長期的に買われたとは言えません。
2-2.全固体電池に力を入れる!【6981】村田製作所
セラミックコンデンサを始めとする電子部品メーカー大手の【6981】村田製作所は、全固体電池の開発に力を入れていることで知られています。
同社は、2019年6月に、業界最高水準の容量を持つ全固体電池を開発したと発表し、話題を集めました。同社の全固体電池は位置制御機器やIoT機器に採用される見通しとなっており、2020年度内に滋賀県の工場で量産する計画となっています。
同社の株価は、2020年1月初めには6,649円を付けており、コロナショックでは3月17日に4,602円まで下落しました。その後は上昇を続けており、11月9日には7,726円まで上昇しています。
特に弱いわけでも強いわけでもなく、日経平均と同程度の値動きです。
全固体電池で世界一の特許数を持つ【7203】トヨタ自動車の株価も苦戦しており、全固体電池関連銘柄は大きく注目されるテーマ株になっているとは言えません。
★注目ポイント2 |
2020年の全固体電池関連銘柄は苦戦している銘柄が目立ち、注目テーマ株になっているとは言えない。 |
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3.全固体電池関連銘柄リスト
今後も注目しておきたい全固体電池関連銘柄を、数銘柄ピックアップしました。
銘柄 | 主なサービス |
【1964】中外炉工業 | 全固体電池の主要材料電解質の製造装置に参入 |
【5214】日本電気硝子 | 全固体ナトリウムイオン電池 |
【6584】三櫻工業 | 全固体電池の開発を手掛けるアメリカ・ソリッドパワー社に出資 |
【6752】パナソニック | トヨタ自動車と共同で全固体電池開発 |
【6762】TDK | 充放電可能なSMDタイプのオールセラミック全固体電池「CeraCharge」 |
【6810】マクセル | 硫化物系固体電解質を用いたコイン形全固体電池 |
【6955】FDK | SMD対応小型全固体電池「SoLiCell」 |
【6976】太陽誘電 | 全固体電池の小型化・大容量化 |
【6981】村田製作所 | 2020年度に全固体電池の量産開始 |
【7203】トヨタ自動車 | 全固体電池の特許数世界一 |
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4.オススメの全固体電池関連銘柄3選!
世界的なEV化に向けて抑えておきたいオススメの全固体電池関連銘柄を見ていきましょう。
【7203】トヨタ自動車
市場 | 東証一部 |
企業概要 | 世界的自動車メーカー。ハイブリッドカーに強み。 |
トヨタ自動車は、全固体電池の関連特許数で世界一を誇る全固体電池関連銘柄の最右翼です。
あまりにも事業規模が巨大過ぎるため、全固体電池に関連するニュースを発表したとしても株価に及ぼす影響は限定されますが、全固体電池でトヨタのEVがどこまで巻き返せるかに注目です。
【6981】村田製作所
市場 | 東証一部 |
企業概要 | 世界的電子部品メーカー。セラミックコンデンサに強み。 |
田製作所は、2021年初めに全固体電池を量産する体制に入ったと報道されています。同社はセラミックコンデンサを中心にさまざまな電子部品を手掛けているため、全固体電池一つで株価が動くとは考えられませんが、注目銘柄として抑えておきましょう。
技術大国日本を象徴する世界的メーカーであるため、株初心者の長期投資にもおすすめの銘柄です。
【6584】三桜工業
市場 | 東証一部 |
企業概要 | 車輌配管やブレーキ用チューブなど自動車向け製品を開発。 |
三桜工業は、全固体電池の開発を手掛けるアメリカのソリッドパワー社に出資していることから全固体電池関連銘柄として注目されている銘柄です。
2019年10月には好決算を背景に2,050円まで急騰しましたが、2020年11月には600円台まで暴落しています。リスクは大きいものの、反発する可能性は十分にあります。ハイリスク・ハイリターンの全固体電池関連銘柄です。
4.まとめ
全固体電池関連銘柄は、多くの個人投資家に注目されるテーマとなっているものの、2020年の株式市場ではそこまで強く買われるテーマ株にはなっていません。
全固体電池で世界一の特許数を誇るトヨタ自動車の株価が苦戦していることが、全固体電池の状況を表していると言ってもいいかもしれません。
全固体電池には多くの投資家が注目しているものの、まだ本格的な実用化にこぎ着けたわけではないため、あくまで期待止まりとなっているのが実情と言えます。
ただ、世界的なEV化の流れを受けて、全固体電池への注目度は水面下でさらに大きくなっているのではないでしょうか?
全固体電池に関するニュースにはアンテナを張っておき、関連銘柄の動向は要チェックしておきましょう!