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証券取引所で売買を行う事が出来る市場は主に4つ。
日本を代表する企業が名を連ねる「東証1部」や中小企業中心の「東証2部」、ベンチャー企業を中心とする「マザーズ」や「ジャスダック」などがあります。
今回は、その中でも個人投資家の注目度が高い新興市場から、東証2部・ジャスダック・東証マザーズの違いとそれぞれの特徴について解説していきます。
目次
1.東証2部について
東証2部へは、ベンチャー企業ではない比較的流動性の乏しい中小型株が上場しています。
【上場基準】
- ・ 株主数800人以上
- ・ 流通株式数4000単位以上
- ・ 時価総額20億円以上
- ・ 3年以上継続的に事業継続していること
従って、東証1部上場を目指している企業などが東証2部を占めています。
2.ジャスダックについて
ジャスダックには、主にベンチャー企業が上場しています。
元々ジャスダックは店頭市場でありました。
つまり、東京証券取引等ではなく、証券会社の店頭で売買されていたのです。
【上場基準】
- ・ 株主数200人以上
- ・ 流通株式数1000単位以上
- ・ 時価総額5億円以上
- ・ 1年以上継続的に事業継続していること
店頭売買から取引所へ転換し、のちに大阪証券取引所に吸収合併され、その大阪証券取引所も東京証券取引所に統合され、今に至ります。
このような背景から、ベンチャー企業ではない老舗企業もジャスダックに上場しています。
また、ジャスダックは「スタンダード」と「グロース」2つの市場に分類されます。
– スタンダード市場
他の市場と同様に会社規模や業績に応じて上場する市場。
– グロース市場
業績が悪くても将来性があると判断されれば上場できる市場。
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3.東証マザーズについて
東証マザーズには、主に東証1部を目指すベンチャー企業が上場しています。
【上場基準】
- ・ 株主数200人以上
- ・ 流通株式数2000単位以上
- ・ 時価総額10億円以上
- ・ 1年以上継続的に事業継続していること
初めから東証1部上場を果たすのは困難でありますが、東証マザーズへの上場は比較的容易であるため、1部上場の基準を満たすまでの1つのステップとして利用している企業が多いです。
4.新興市場の投資に伴うリスク
実際に新興市場で投資を行う際のリスクについて記載します。
なお、当然ですが東証1部は日本を代表する大企業が名を連ねている市場であるため投資に伴うリスクは低いと考えられます。
しかし、そのような東証1部の大企業が短期で大きな成長する見込みは少ないでしょう。
新興市場では、うなぎのぼりのような成長が期待できます。
とくにマザーズやジャスダックには多くのベンチャー企業が上場しているため、一攫千金を狙うことも十分可能でしょう。
ただし、ベンチャー企業はまだ経営が不安定という点では倒産や上場廃止のリスクも高くなります。
その中間に位置する東証2部は中堅企業が多く、東証1部ほどの安定性はないかもしれませんが、マザーズやジャスダックに比べてリスクは低いことが挙げられます。
ご自身の投資スタイルに合った市場、銘柄を選ぶことが大切ですね。
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6.各市場で注目された、あがった銘柄
新興市場は新型コロナウィルス相場でさらに強くなっており、とくに注目された銘柄と解説をしていきます。
6-1.東証2部で注目された2銘柄
東証2部で注目された銘柄を2つご紹介します
新型コロナワクチン関連で急騰!【6897】ツインバード
ホームベーカリーやコーヒーメーカーなどの家電を手掛ける【6897】ツインバード工業は、新型コロナ相場で大きく買われた東証2部銘柄です。
同社の株価はコロナショックで2020年3月13日に335円まで売られた後は反発し、その後は500円弱の横ばいで推移していました。
事態が一変したのは、2020年6月10日に、新型コロナウィルスのワクチンや治療薬開発の加速を背景に、同社の冷却システム「FPSC(フリーピストン・スターリング方式冷凍機)」の受注が急拡大していると発表されたことです。
このニュースを受けて株価はストップ高を連発。6月9日に467円を付けていた株価は7回のストップ高を含む急騰で、6月22日には2,399円まで上昇しました。
3月の安値から見ると最大7.16倍の上昇率となっています。
全固体電池の量産化を発表!【6955】FDK
富士通系の電池会社【6955】FDKは、全固体電池関連銘柄として新型コロナ相場でも買われました。
2020年の同社の株価は、相場全体とほぼ同じ動きとなっており、コロナショックで3月23日に386円の安値を付けてからは緩やかな反発が続いていました。
そして、6月23日、同社はSMD対応小型全固体電池「SoLiCellTM」の年内量産開始を決定したと発表しました。このニュースを受けて2日連続ストップ高となり、6月26日には1,150円まで上昇。
3月の安値から見ると、新型コロナ相場では最大2.97倍の上昇率となっています。
新型コロナ相場の最中にあっても、全固体電池への投資家の期待感が冷めていないことが分かります。
6-2.ジャスダックで注目された2銘柄
ジャスダックで注目された銘柄を2つご紹介します
外出自粛で絶好調!【2484】出前館
飲食店向け出前仲介サイト「出前館」を運営する【2484】出前館は、新型コロナによる外出自粛で大きく買われている銘柄の一つです。
外食産業は新型コロナで大きな打撃を受けていますが、一方でデリバリーやドライブスルーを手掛ける外食チェーンは絶好調となっており、同社もその漁夫の利を得ている企業の一つです。
同社の株価は、コロナショック真只中の3月13日には524円まで売られていましたが、その後の反発局面では真っ先に買われており、4月15日には1,705円まで上昇。
その後は下落後に横ばいとなっていましたが、6月中旬から再び上昇しており、6月25日には1,777円を付けて年初来高値を更新しました。
コロナショック安値からの最大上昇率は3.39倍となっています。
新型コロナ相場・最強の銘柄!【2191】テラ
がん免疫療法で知られるバイオベンチャーの【2191】テラは、新型コロナ相場で最も大きく買われている銘柄です。
同社は、2020年4月27日に、先端医療支援を手掛けるセネジェニックス・ジャパン社と、新型コロナウィルスの治療法開発の共同研究契約を結んだニュースを発表したことから急騰が始まりました。
同社は典型的なボロ株(超低位株)となっており、3月13日には93円を付けていました。コロナショック後の反発局面では戻し、上記ニュース発表前には151円まで戻していました。
上記ニュース発表以降は、合計13回のストップ高を含む大相場となり、6月9日には2,175円まで上昇。コロナショックで安値を付けてから3ヶ月で最大23.64倍の上昇率となっています。
テンバガーどころかダブルテンバガーを達成した、新型コロナ相場で最も大きく買われた銘柄です。
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6-3.東証マザーズで注目された2銘柄
巣ごもり消費拡大で上昇!【4477】BASE
Eコマースプラットフォーム「BASE」を展開する【4477】BASEは、巣ごもり消費の拡大を背景に大きく買われている東証マザーズ銘柄です。
同社は、オンライン決済サービス「PAY.JP」も手掛けていることから、巣ごもり消費におけるキャッシュレス決済の拡大も買い材料です。
同社の株価は、コロナショックによって2020年3月13日には774円まで売られていましたが、その後は反発が続いており、7月6日には6,030円まで上昇しています。
コロナショックから4ヶ月弱での最大上昇率は7.79倍となっています。
特にこれといった買い材料があったわけではなく、この4ヶ月間は一貫した上昇トレンドとなっていることが特徴です。
オンライン教育で注目!【3998】すららネット
小学生から高校生向けにネット学習教材「すらら」を提供する【3998】すららネットは、教育関連銘柄として新型コロナ相場で大きく買われている東証マザーズ銘柄です。
2020年2月末の一斉休校要請以降、オンライン教育はテレワークと並んでマーケットで注目されるテーマとなっています。
同社の株価は、一斉休校要請を受けて2月26日には1,496円まで買われましたが、コロナショックによって3月13日には682円まで下落していました。
しかしその後の新型コロナ相場では一貫した上昇トレンドとなっており、6月30日には4,590円まで上昇。
新型コロナ相場での最大上昇率は安値から6.73倍となっています。
6月12日に株式分割を発表したことで買われた場面はあったものの、これ以外には特に材料も出ておらず、この4ヶ月間は一貫した上昇トレンドとなっています。
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5.まとめ
東証2部、ジャスダック、東証マザーズでは、それぞれ上場基準が異なります。
上場基準を以下の表にまとめました。
株主数 | 流通株式数 | 時価総額 | 事業継続期間 | |
東証2部 | 800人以上 | 4000単位以上 | 20億円以上 | 3年以上 |
マザーズ | 200人以上 | 2000単位以上 | 10億円以上 | 1年以上 |
ジャスダック | 200人以上 | 1000単位以上 | 5億円以上 | 1年以上 |
これらの違いを理解しておくことで、投資のヒントが見えてきます。
また新興市場の銘柄の強さもご理解いただけたと思います。
東証1部昇格への可能性を見出すことができたり、反対に降格したりの企業も予測できるようになってきますので、今後の投資に活かしていきましょう。
ただ投資する際は、株価の上下も激しくなりますので、リスクに対して慎重に投資していきましょう!