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【6383】ダイフクは+130%!【6920】レーザーテックは+200%!
半導体関連銘柄は、シリコンウエハーや半導体製造装置で高い世界シェアを持つ銘柄を中心に、外国人投資家にも人気の成長テーマ株です。
半導体関連銘柄は代表的な景気敏感株であり、全体相場に先駆けて株価が先行して値動きやすいため、実際に投資をしなくてもマーケットの先行きを占う上で要チェックが必要です。
また東芝から独立したキオクシアホールディングス(旧・東芝メモリ)のIPOは延期となってしまいましたが、こちらにも注目が集まります。
半導体関連銘柄に注目していきましょう!
目次
1.半導体とは
半導体関連銘柄は代表的な景気敏感株として必ず抑えておきたいテーマ株です。
1-1.半導体関連銘柄とは?
半導体は、スマホやパソコン、家電製品など、日常生活のありとあらゆる製品に使われている電子部品です。
かつては半導体メモリの分野で日本企業は世界トップシェアを誇っていましたが、現在は韓国や台湾の企業に押されて世界的影響力がある企業はほぼ皆無となってしまいました。
ただ半導体材料であるシリコンウエハーや半導体を製造するのに欠かせない半導体製造装置では、現在でも日本企業は世界トップクラスのシェアを誇っています。
シリコンウエハーの世界シェア(2019年度)は、信越化学工業32%、SUMCO25%となっており、トップ2社で市場全体の半分を占めています。
アメリカの半導体調査会社VLSIresearch社が発表した2019年の半導体製造装置メーカートップ15によると、東京エレクトロン(3位)、アドバンテスト(6位)、スクリーン(7位)など日本企業が8社入っています。
2020年現在、日本株の半導体関連銘柄というと、シリコンウエハーと半導体製造装置を手掛けている銘柄を指すことが一般的です。
1-2.半導体関連銘柄は景気敏感株として全体市場に先行しやすい
半導体は世界経済の影響を強く受けるため、景気敏感株(シクリカル銘柄)として、株価の先行指標となることが多くなっています。
半導体関連銘柄に投資しなくても、相場全体の先行きを占う上で半導体関連銘柄の動向には要チェックが必要です。
また半導体関連銘柄を手掛ける際には、景気敏感株として特徴的な値動きについて理解しておくことが重要です。
半導体関連銘柄は、2017年には大きな上昇となり、2018年には米中貿易摩擦の影響で大きく下落、2019年には大きく反発しました。
一方世界の半導体市場は、2018年には過去最高となりましたが、2019年には米中貿易摩擦の影響で前年比-12.0%の下落となっています。
このように半導体関連銘柄は、世界の半導体需要予測に先行した値動きになりやすいということを抑えておきましょう。
なお、WSTS(世界半導体市場統計)が2020年6月9日に発表した「世界半導体市場予測」によると、2020年の世界半導体市場はメモリ市況の回復を受けて前年度比+3.3%増になるとしており、2021年も6.2%増の成長になると予測されています。
2021年の半導体需要が堅調と予測されていることから、半導体関連銘柄は2020年の新型コロナ相場でも堅調な値動きとなっています。
また、半導体関連銘柄としても注目されるキオクシアホールディングス(旧・東芝メモリ)のIPOが2020年10月6日に予定されていましたが延期となっており、上場は年末から年明けを予定しているとのことです。
2.半導体関連銘柄が上昇する理由と過去に上がった銘柄
新型コロナ相場で大きく上がっている半導体関連銘柄を見ていきましょう。
5-1.東証で最も注目されている半導体関連銘柄!【6920】レーザーテック
液晶・半導体検査装置を主力とする【6920】レーザーテックは、東証で最も注目されている半導体関連銘柄と言っても過言ではありません。
同社は半導体製造に欠かせないマスクブランクス欠陥検査で世界トップシェアを誇っていることで知られます。
また2019年には東証一部全銘柄の中で上昇率2位となっていましたが、2020年に入ってからも上昇の勢いは衰えていません。
同社の株価は、2020年1月初めには5,360円を付けていました。
コロナショックでは3月13日に3,905円まで下落したものの、新型コロナ相場では再び上昇軌道に乗り、7月10日には11,750円まで上昇。
2020年の最大上昇率は+200%となっており、主要な半導体関連銘柄の中では最も大きく上昇した銘柄となっています。
5-2.半導体クリーンルーム向け搬送・保管システム!【6383】ダイフク
搬送・保管システムの世界的企業として知られる【6383】ダイフクは、半導体関連銘柄に位置付けられます。
半導体製造の自動化に欠かせないクリーンルーム向け搬送・保管システムを手掛けており、世界中の企業に納入しています。
同社の株価は2020年1月初めには6,530円を付けていました。コロナショックでは3月に4,670円まで下落。
その後は大きく反発しており、9月30日には10,760円まで上がっています。
新型コロナ相場では最大+130%の上昇率となっており、年初に付けていた株価も60%以上上回っています。
現在進行形で上場来高値を更新し続けている成長株であり、今後も期待の銘柄です。
2020年の半導体関連銘柄としてはレーザーテックとダイフクの2銘柄の上昇が目立ちますが、【8035】東京エレクトロンや【4063】信越化学工業も年初の株価を取り戻しているなど堅調な値動きとなっています。
3.半導体関連商品が迎える新たなステージ
あらゆるモノがインターネットと繋がるIoT時代の到来は、膨大な情報量とわたしたちの日常空間が一体化していく過程でもあります。
数ある半導体商品の中でも特に注目されている分野を追っていきましょう。
3-1.ビッグデータの到来で3次元NANDに世界が注目
USBやメモリーカードなどの記憶装置に埋め込まれている従来の半導体の常識を覆したのが、3次元NANDです。
なにが凄いのかと言うと、その保存容量と処理能力がケタ違い。この技術が革新的だとして今、世界が注目しています。
私たちが普段当たり前に使っているインターネットは、文字だけでなく音声や写真から動画まで、日々膨大なデジタルデータが飛び交っています。
ビッグデータ時代の到来と言われており、今後スマホや自動車がけん引して、使われる半導体のほとんどに3次元NANDが採用されていくことが予想できます。
半導体関連の一角、日立国際電気(6756)は3次元NAND向けの成膜装置を主力としており、受注好調でさらに生産能力を強化していく予定。
2016年頃から株価は堅調な動きで値を伸ばしており、今後もさらなる飛躍が期待できます。
3-2.パワー半導体が省エネ革命を起こすか
省エネ革命として注目のパワー半導体は、電圧や電力をコントロールして安定した電源を効率良く供給するために欠かせないものとなっていきます。
インバータというパワー半導体が身近なもので、冷蔵庫やエアコンなどの大型家電に搭載されていますが、進むIoT化によってより省エネという課題が立ちはだかります。
その消費電力問題を解決してくれるのが、パワー半導体です。
従来のSi(シリコン)素材ではなく、電力損失を軽減する次世代パワー半導体としてSiC(シリコンカーバイド)やGaN(ガリウムナイトライド)が開発されました。
高品質でありながら、設備投資に力を入れている今、量産化されると低価格化が実現できるようになり、身の回りにあらゆるモノへと普及していきます。
4.半導体関連銘柄チェックリスト
半導体関連銘柄といっても製造、販売、開発など、様々な企業が関連銘柄として上げられます。その中でも注目したい14銘柄をピックアップ。
銘柄 | 主なサービス |
【4063】信越化学工業 | シリコンウエハー世界1位 |
【3436】SUMCO | シリコンウエハー世界2位 |
【8035】東京エレクトロン | 半導体製造装置世界3位 |
【6857】アドバンテスト | 半導体製造装置世界6位 |
【7735】SCREEN | 半導体製造装置世界7位 |
【6146】ディスコ | 半導体の研削・切断・研磨装置で世界トップシェア |
【6920】レーザーテック | マスクブランクス欠陥検査で世界トップシェア |
【6383】ダイフク | 半導体製造の自動化に欠かせないクリーンルーム向け搬送・保管システム |
【7741】HOYA | 半導体製造用マスクブランクス・フォトマスク |
【6723】ルネサスエレクトロニクス | 車載マイコンに強い半導体メーカー |
5.見逃し厳禁!半導体関連の注目3銘柄
数ある半導体関連銘柄の中でも期待の3銘柄をご紹介。
時代の流れによりこれからも多くの出遅れ銘柄が出てくる可能性がありますが、その初動を捉えるためにも関連銘柄は定期的にチェックしておきましょう。
【3436】SUMCO
市場 | 東証一部 |
企業概要 | 世界2位の半導体シリコンウエハー専業企業。 SUMCOは、シリコンウエハー世界2位の、東証を代表する半導体関連銘柄です。 |
世界1位の【4063】信越化学工業は総合化学メーカーである一方、SUMCOはシリコンウエハー専業企業となっています。
値動きで見ると、SUMCOの方がハイリスク・ハイリターンです。
シリコンウエハーメーカーは、リターン重視のSUMCO、リスク重視の信越化学工業と認識しておきましょう。
【8035】東京エレクトロン
市場 | 東証一部 |
企業概要 | 世界3位の半導体製造装置メーカー。 |
東京エレクトロンは、世界3位の半導体製造装置メーカーであり、日本株を代表する半導体関連銘柄となっています。
技術大国日本を象徴する銘柄の一つであり、外国人投資家にも人気の成長株です。
大型銘柄でありながら、株価はアベノミクスが始まった2013年からの7年間で7倍弱となっています。大手の半導体製造装置メーカーとしては【6857】アドバンテストとともに必ず抑えておきましょう。
【6146】ディスコ
市場 | 東証一部 |
企業概要 | 半導体の研削・切断・研磨装置に強みを持つ半導体製造装置メーカー。 |
ディスコは、半導体の研削・切断・研磨装置で世界トップシェアを誇る半導体関連銘柄です。
ニッチ分野に強い半導体製造装置メーカーとして注目されており、東証でも人気の半導体株となっています。
同じくニッチ分野に強い半導体株として、マスクブランクス欠陥検査に強い【6920】レーザーテックや、半導体クリーンルーム向け搬送・保管システムに強い【6383】ダイフクとともに要チェックしておきましょう。
6.まとめ
半導体関連銘柄は、2020年の新型コロナ相場では堅調な値動きとなっています。
半導体関連銘柄は、世界の半導体需要予測に先行した値動きになりやすい景気敏感株であり、相場全体の先行きを占う上でも要チェックが必要なテーマ株です。
日本株の半導体関連銘柄には、シリコンウエハーで世界的な【4063】信越化学工業と【3436】SUMCO、世界的半導体製造装置メーカーの【8035】東京エレクトロンや【6857】アドバンテストなど技術大国日本を代表する銘柄がひしめいています。
さらに半導体のニッチ分野で世界トップシェアを持つ【6920】レーザーテックや【6383】ダイフク、【6146】ディスコなどもマーケットで人気となっている半導体関連銘柄です。
また日本の半導体メモリ企業として、高い世界シェアを持つキオクシアホールディングス(旧・東芝メモリ)のIPOにも注目が集まります。
世界の半導体需要に関するニュースにはアンテナを張っておき、半導体関連銘柄の動向は要チェックしておきましょう。
必読必須の厳選3記事