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日本自動車工業会の調査によれば、20代の約6割が自動車に「関心がない」と回答しています。
嗜好が多様化する中で、かつてのような「マイカー」への憧れは薄れつつあるようです。
そんな中注目されているビジネスが、「カーシェアリング」です。
「カーシェアリング」は自動車を保有することなく、必要な時に必要な時間だけ自由に利用することが出来ます。
その便利さゆえに市場規模が拡大しつつあり、今後も拡大が見込まれています。
今回はカーシェアリング市場拡大によって恩恵が見込まれる企業を「カーシェアリング」関連銘柄として、株価動向やその背景について分かり易くご紹介したいと思います。
目次
1.「カーシェアリング」関連銘柄に期待
「カーシェアリング」関連銘柄とは、オリエンタルランドの大型投資によって恩恵を受ける企業を指します。
1-1.「カーシェアリング」関連銘柄とは?
日本自動車工業会の「2017年度 乗用車市場動向調査」によれば、20代以下の若者において自動車の購入意欲を持つ割合は46%と半数を割っているそうです。
その理由として、「買わなくても生活ができる」、「今まで以上にお金がかかる」、「クルマ以外に使いたい」といったものが上位に来ています。
嗜好が多様化する中で、かつてのような「マイカー」を持つことへの憧れは薄れているようです。
また、都市部を中心に交通網が発達していることも背景にあるでしょう。
都心部では東京メトロ副都心線に代表されるように、新たな路線乗り入れなどの取り組みが進んでいます。
つまり、購入金額やその後の維持費の大きさと実際の必要性を比較した時に、自動車を保有することの有用性を感じない状況になっているのです。
一方で、友人との旅行や電車でのアクセスが悪い場所には、やはり自動車が必要であることには変わりありません。
自動車を購入するほどでは無いが、必要な時が無いわけではない。
そんなニーズを満たすのがカーシェアリングです。
順調に市場が拡大しており、今後も更なる成長が見込まれている分野です。
ここでは、カーシェアリング市場拡大によって恩恵が期待出来る企業を、「カーシェアリング」関連銘柄としてご紹介していきたいと思います。
1-2.なぜ「カーシェアリング」関連銘柄は株価が上昇するのか?
「カーシェアリング」関連銘柄が株式市場で注目されている理由は、市場拡大期待です。
やや古いデータとなりますが、矢野経済研究所によれば、カーシェアリングの2014年の市場規模は前年比45.3%増の154億円と大幅に成長しています。
また、2020年には295億円までに成長することが予想されています。
2014年を起点にすれば市場規模が倍増することになりますので、「超」有望市場と言えるでしょう。
カーシェアリングの大きなメリットは、利用の柔軟性にあります。
自動車を保有することなく、使いたい時に使いたい時間だけ利用することが出来ます。
また、レンタカーと異なり手続きが簡単であり、比較的短時間からの利用が可能であることやから「ちょっとした買い物」に利用することも出来ます。
こうした便利さを背景に、今後も市場拡大が見込まれているのです。
カーシェアリングを展開する代表的な企業が【4666】パーク24でしょう。
「タイムズ」のブランドで皆さんも黄色い看板を見掛けたことがあるのではないでしょうか。
カーシェアリングを展開する企業は、今後の市場拡大に伴う業績成長が見込まれます。
株式市場では、そうした期待を背景に高い注目を集めているのです。
その結果、「カーシェアリング」関連銘柄の株価が上昇するのです。
- 「カーシェアリング」関連銘柄とは、カーシェアリング市場拡大によって恩恵を享受する企業を指します。
- 「クルマ離れ」や利用の柔軟性を背景に市場拡大が期待出来る分野である
2.「カーシェアリング」関連銘柄の推移
過去に上昇した関連銘柄と、その上昇理由を見ていきましょう。
2-1.恩恵を最も享受する企業として株価が上昇
【4666】パーク24はカーシェアリング市場拡大による恩恵が期待される代表的な銘柄の1つです。
同社は、時間貸駐車場「タイムズ」の運営や駐車場の受託管理を行う駐車場事業を中心に展開しています。
同時にレンタカーやカーシェアリングにも参入しています。
同社の強みは時間貸駐車場で培ってきたブランド力と拠点数です。
「タイムズ」ブランドの認知度は高く、消費者からの信頼も厚いと言えるでしょう。
また、拠点数が多いことはカーシェアリングビジネスにとって重要です。
自宅からカーシェア用の駐車場までの距離が遠いと利用意欲が低下するため、いかにきめ細かく拠点を配置するかが優位性を左右するのです。
そういった面で同社は高い優位性を持っている企業であり、今後のカーシェアリング市場拡大の恩恵を最大限享受する企業と言えるでしょう。
同社の株価は、直近はCB発行により大きく下落しているものの、それ以前の半年間では17%程度上昇していました。
今後の成長を加味すれば、直近の下落はむしろ「買い場」として株式市場から再び注目される可能性があるかも知れません。
2-2.カーシェアアプリによる期待から株価上昇
2つ目にご紹介したいのが、【2432】ディー・エヌ・エーです。
主にモバイル・PC向けのインターネットサービスを提供していますが、オークションサイトやEC、SNS、ゲーム事業など多角的にビジネスを展開しています。
野球球団を所有していることでも有名な企業ですね。
同社は現在、自動車関連のビジネスに注力しており、代表例としては、いつでも簡単にタクシーを呼ぶことが出来る「タクベル」です。
また、「Anyca」と呼ばれるサービスも提供しています。
「Anyca」は、クルマを使わない時にシェアしたい「オーナー」と必要なときに好みのクルマを使いたい「ドライバー」とを使ってマッチングするカーシェアリングサービスです。
カーシェアリング市場が拡大する中では、事業者がクルマを用意して提供するモデルだけでなく、一般消費者が提供するようなモデルも浸透することが予想されます。
そうした中では、同社が提供するアプリは需要の高まりが期待出来るでしょう。
同社の株価は直近3か月で15%程度上昇しています。
パーク24のような事業者とは異なるポジションで、カーシェアリング市場拡大の恩恵を享受することが見込まれる面白い銘柄と言えるでしょう。
- カーシェアリングサービスを展開している企業は注目されやすい
- 消費者同士のカーシェアリングをマッチングするなど、周辺ビジネスを展開する企業も注目されやすい
3.「カーシェアリング」関連銘柄
銘柄 | 備考 |
【4666】パーク24 | 時間貸駐車場「タイムズ」の運営や駐車場の受託管理を行う駐車場事業が中心。レンタカーやカーシェアリングにも参入。 |
【8591】オリックス | 総合リースの国内最大手。法人金融サービスを核として、事業投資や不動産投資、メンテナンスリースなども手掛ける。 |
【2353】日本駐車場開発 | 地方中心の駐車場運営会社。大型オフィスビル、商業施設などの駐車場運営マネジメントを行う。中国、韓国、ASEANなどに現地法人を展開。 |
【9619】イチネンホールディングス | 自動車リースや自動車メンテナンス受託などを行う自動車総合サービス事業が中心。パーキング運営、レンタル型カーシェアなども展開。 |
【2432】ディー・エヌ・エー | 主にモバイル・PC向けのインターネットサービスを提供。自動車分野へのサービス展開に注力中。 |
【9048】名古屋鉄道 | 愛知県・岐阜県を基盤とする鉄道事業者。交通以外では、名鉄百貨店などの流通、明治村などのレジャー・サービス、不動産事業などを展開。 |
【8056】日本ユニシス | システムインテグレーター。経営戦略などのコンサルティングからITソリューションの提供、運用管理・保守のサポートまでの一貫したサービスを提供。 |
【9832】オートバックスセブン | 自動車用品小売最大手。カー用品の販売や取付サービスなどを行う。シンガポールにてカーシェアリング会社向けメンテナンス請負サービスを展開。 |
【9437】NTTドコモ | 契約数で国内トップの移動体通信事業者。カーシェアリング事業も展開。 |
【1435】TATERU | アパート経営者に対し土地のマッチングサービスなどを提供する。「オリックスカーシェア」の入居者向け入会優待プランを導入決定。 |
【9417】スマートバリュー | ドコモショップの運営を行うモバイル事業と、クラウドソリューション事業を運営。郊外中心にカーシェアリング事業に参入。 |
4.おすすめ「カーシェアリング事業」関連銘柄
では、最後に注目すべき「カーシェアリング事業」関連銘柄を紹介します。
4-1.【8056】日本ユニシス
市場 | 東証一部 |
業種 | 情報・通信業 |
単位 | 100株 |
比較される銘柄 | NTTデータ、伊藤忠テクノ、SCSK |
注目ポイント | 金融、製造から流通、社会公共と幅広い分野で実績を有するシステムインテグレーター。 |
カーシェアリング向けシステムを供給しており、カーシェアリング市場拡大の恩恵を享受する可能性。
4-2.【1435】TATERU
市場 | 東証一部 |
業種 | 建設業 |
単位 | 100株 |
比較される銘柄 | フィット、住友林業、積水ハウス |
注目ポイント | アパート経営プラットフォーム「TATERU」の運営を中心に展開 |
「オリックスカーシェア」の入会優待プラン導入により入居率集客力が向上する可能性。
- カーシェアリングの周辺ビジネスに注目
5.まとめ
日本全体は人口減少、少子高齢化が不可避となっています。
若者が自動車を保有することに価値を感じなくなりつつある今、将来的な自動車保有台数は減少することが見込まれるでしょう。
また、今後都市部を中心に益々「クルマ離れ」が進行する可能性があります。
その際注目されるのが「カーシェアリング」です。
ちょっとした外出に適しており、とても便利な仕組みと言えます。
昨今シェアリングビジネスが注目されていますが、カーシェアリングはその先駆けと言えるかも知れません。
今後の市場拡大を織り込み、「カーシェアリング」関連銘柄に着目すると大きなリターンを獲得出来るかもしれません。
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