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「コネクテッドカー」という言葉をご存知でしょうか。文字通り「つながる車」という意味です。
自動車そのものが通信ネットワークの一部として取り込まれることによって、様々な最新情報が即時に受発信することが出来ます。
これによって、多くのメリットが期待されています。
例えば盗難車対策。盗まれた自動車の位置情報をもとに追跡が可能となったり、エンジン停止を遠隔で行ったりすることが可能となります。
今回は「コネクテッドカー」に関連する企業を取り上げ、株価動向やその背景について分かり易くご紹介したいと思います。
目次
1.「コネクテッドカー」関連銘柄に期待
「コネクテッドカー」関連銘柄とは、コネクテッドカー市場の成長・拡大によって恩恵を享受する企業を指します。
1-1.「コネクテッドカー」関連銘柄とは?
総務省のHPには、コネクテッドカーについて、「ICT端末としての機能を有する自動車」と記載されています。
「車両の状態や周囲の道路状況などの様々なデータをセンサーにより取得し、ネットワークを介して集積・分析することで新たな価値を生み出すことが期待されている」
とも書かれているのです。
これまでの自動車は、燃費や操作性などが重視されてきました。
しかし今後は、自動車が通信ネットワーク内に組み込まれることによって、外部と「繋がる」ようになるのです。
その結果、様々なメリットが想定されています。
例えば緊急通報システムです。
エアバッグなどの作動を感知して自動で警察・消防に通報され、迅速な事故対応が可能になり、事故被害の最小化が期待出来るのでしょう。
欧州では既に義務化されているシステムであり、日本でも実現性は高いです。
様々な分野で活躍が期待されているコネクテッドカーについて、その実現・発展に向けて関与している企業を「コネクテッドカー」関連銘柄として、ご紹介していきたいと思います。
1-2.なぜ「コネクテッドカー」関連銘柄は株価が上昇するのか?
「コネクテッドカー」関連銘柄が株式市場で注目されている理由は、中長期的な市場規模の盛り上がりです。
コネクテッドカー市場の拡大には2つの側面があります。
自動車周辺の技術的な発展
従来の自動車がコネクテッドカーとして流通するには、今後自動車内に通信用の機器を搭載していく必要があります。
また、通信ネットワークに繋がったとしても、外部との情報の受発信について新たなシステムを構築する必要もあるでしょう。
こうした技術的な条件に対し製品を供給することが出来る企業は株式市場で注目されやすいです。
通信インフラ側の発展
あらゆる自動車がコネクテッドカーとなった際、外部との情報通信料は現在と比べ物にならないくらい膨大な量となります。
加えて、膨大な通信を円滑に遅滞なくやり取りすることが必須となります。
そのために注目されているのが「5G」。
5Gとは次世代の通信規格であり、「3G」や「4G」などの通信規格の最新版と言えるものです。
5Gによって高速かつ大容量の通信が可能となり、コネクテッドカー実現・拡大には必要な存在です。
「コネクテッドカー」関連銘柄の中には、5Gの実現に絡む企業も含まれるでしょう。
上記2つの側面から、「コネクテッドカー」関連銘柄は株式市場から注目されているのです。
- 「コネクテッドカー」関連銘柄とは、コネクテッドカー市場の成長・拡大によって恩恵を享受する企業のことを指す
- 自動車周辺の部品や通信インフラ構築に関連する企業が注目されやすい
2.「コネクテッドカー」関連銘柄の推移
過去に上昇した関連銘柄と、その上昇理由を見ていきましょう。
2-1.コネクテッドカー向け製品の需要増加期待から株価が上昇
【6796】クラリオンはコネクテッドカー関連の銘柄の1つです。
同社は、カーナビゲーションやカーオーディオ等の音響・通信機器を手掛ける企業です。
同社のHPには「車載情報機器メーカーから車両情報システムソリューションプロバイダーへ」と記載されています。
従来の自動車業界におけるクラリオンの役割は、カーナビなどの車載機器を提供することが中心でした。
しかし今後は、車内外の情報を統合・解析することによって日常生活全体をサポートするようなサービスを提供したい、との思いが見て取れます。
実際同社は2018年の展示会などでコネクテッドカー向けのシステムを発表しており、株式市場では「コネクテッドカー」関連銘柄として認知され始めています。
株価は過去半年間で7割強と大幅に上昇!
2018年10月末にフォルシアグループによる公開買付けが発表されており、上場廃止が予定されているため今後同社の株式に投資することは難しいですが、同じ文脈で一気に注目される銘柄が現れるかも知れません。
2-2.通信インフラ構築に絡む工事量増加期待から株価上昇
2つ目にご紹介したいのが、【1951】協和エクシオです。
同社はNTTグループ向けを中心に、その他キャリアのモバイル向け通信工事やオフィスビル内の配線工事などを手掛けている企業です。
これまでの4Gやプレミアム4Gなどのモバイル端末向けの通信工事を数多く手掛けてきた実績があります。
今後コネクテッドカーの実現に向けた5Gの導入にあたっても、同社に工事の発注が舞い込んでくることが期待出来るでしょう。
株式市場で5G関連の銘柄に注目が集まった2018年の前半において、同社の株価は半年間で2割程度上昇しました。
5Gに絡む通信工事は、今後徐々に発注されてくると言われており、本格化するのは東京五輪以降と噂されています。
そうした意味では、まだ同社の業績に5Gに絡む工事の影響がほぼ無いと言えるでしょう。
しかし東京五輪以降に向けて豊富な工事量が期待出来るという面で、中長期的な期待感が持てる銘柄です。
今後も株式市場で注目度が高まる可能性が十分にある銘柄と考えられます。
- コネクテッドカー向けの製品提供を行う企業は注目されやすい
- 通信インフラ構築の文脈で注目される企業も存在する
3.「コネクテッドカー」関連銘柄
銘柄 | 備考 |
【3698】CRI・ミドルウェア | スマホゲーム分野を中心に音声・映像の技術を研究開発し、ソフトウェアとして提供。コネクテッドカー向けに製品に注力中。 |
【3774】インターネットイニシアティブ | 企業向けのネットワークやシステム、セキュリティなどの機能をクラウド上から提供。コネクテッドカー向け製品の引き合い豊富。 |
【2317】システナ | IT製品の販売やシステム開発・保守・運用も手掛ける。自動運転やコネクテッドカー向けにサービスを展開。 |
【9735】セコム | ホームセキュリティ分野で国内トップシェアを誇る。コネクテッドカー向けサービスを展開するフレクトと協業。 |
【6754】アンリツ | 電子計測器など計測事業が主力。独自の計測ソリューションをコネクテッドカー向けにも展開している。 |
【9437】NTTドコモ | 移動体通信事業者で国内トップ企業。5Gコネクテッドカーに向けた「車両ガラス設置型アンテナ」による5G通信に成功。 |
【8739】スパークス・グループ | 投資顧問や投資信託を手掛ける運用子会社を有する。コネクテッドカー向け技術を有するアプトポッドへ出資。 |
【6594】日本電産 | 家電やPC、車載用などのモーターの製造・販売を手掛ける。独自の新型アンテナがコネクテッドカー向けに伸長する可能性。 |
【5803】フジクラ | 国内電線メーカートップクラス。光ファイバ融着機では世界シェアトップ。コネクテッドカー向けの製品展開中。 |
【6773】パイオニア | カーナビ・カーオーディオを中心に、有機ELや医療・健康機器等も展開。コネクテッドカー向けの製品提案に注力。 |
4.おすすめ「コネクテッドカー」関連銘柄
では、最後に注目すべき「コネクテッドカー」関連銘柄を紹介します。
4-1.【6807】日本航空電子工業
市場 | 東証一部 |
業種 | 電気機器業 |
単位 | 100株 |
比較される銘柄 | ヒロセ電、第一精工、ミネベア |
企業概要 | コネクタを中心に航空・宇宙用電子機器を製造販売している企業です。 |
車載情報通信機器向けのコネクタを昨年5月に発売しており、コネクテッドカー需要増加の恩恵を享受する可能性。
4-2.【3788】GMOクラウド
市場 | 東証一部 |
業種 | 情報・通信業 |
単位 | 100株 |
比較される銘柄 | 伊藤忠テクノ、ソフバンテク、DIT |
企業概要 | クラウドホスティング・セキュリティシステムなどを提供している企業です。 |
双日とコネクテッドカー関連事業の推進で業務提携を発表している。
- コネクテッドカー向けの新製品販売が好材料視される可能性がある
- コネクテッドカーに絡む業務提携が好材料される可能性がある
5.まとめ
交通事故が発生した時に自動で通報してくれる自動車。
盗難時に遠隔でエンジンを停止してくれる自動車。
通信ネットワークの中に自動車が組み込まれることで、従来の自動車では味わえなかった便利さを体験することが出来るでしょう。
便利な社会の象徴とも言える「コネクテッドカー」。
「コネクテッドカー」関連銘柄は、明るい未来を作り出す貢献をしている素晴らしい企業といえます。
短期的な業績への貢献は見えづらいかも知れませんが、中長期的には利益成長をもたらすことが期待出来ます。
長い目線で「コネクテッドカー」関連銘柄に投資することで、将来大きなリターンを獲得することが出来るかも知れませんね。