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「商社」は、様々な商品の中間流通として長らく日本経済に貢献してきました。
また、近年ではエネルギー資源国への投資や様々な企業への出資など、多方面で活躍している業界と言えます。
一般的に「商社」と聞くと【8058】三菱商事や【8031】三井物産、【8001】伊藤忠商事といった総合商社を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
総合商社ほどの知名度は無いものの、特定分野で商品流通を支える「専門商社」と呼ばれるプレーヤーも存在します。
ここでは、専門商社を含めた商社関連銘柄についてご紹介したいと思います。
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目次
1.商社関連銘柄に期待
商社関連銘柄とは、独自のポジションを築き、優位性を発揮している企業のことを指します。
1-1.商社関連銘柄とは?
商社には大きく分けて「総合商社」と「専門商社」とに区別されます。
総合商社
その名の通り様々な分野の商品流通から企業などへの投資・出資を幅広く手掛けている企業です。
具体例としては、【8058】三菱商事や【8031】三井物産、【8053】住友商事、【8001】伊藤忠商事、【8002】丸紅などが挙げられます。
専門商社
専門商社は特定分野の商材を取り扱う企業です。本来商社は卸機能を担ってきました。
卸機能とは、商品を製造するメーカーとそれを販売・利用する企業との間をつなぐ存在です。
専門商社は、ある商品分野に特化して流通機能を担っている重要な存在です。
具体例としては、【9996】サトー商会が挙げられます。
同社は、製菓、給食、レストラン、スーパー向けの業務用食材の専門商社です。
ここでは、こうした企業を商社関連銘柄としてご紹介していきたいと思います。
1-2.なぜ商社関連銘柄は株価が上昇するのか?
商社関連銘柄の株価が上昇する理由は、取扱商材の売上高増加です。
売上高が増加する理由は主に2点あります。
- ・ 商品需要増加
- ・ 取扱商材の拡充
商品需要増加
商社として販売している商品の市場が拡大し、顧客からの需要量が増加する場合です。
例えば鉄製品を専門に取り扱う商社がいたとします。
世界的に鉄の需要が増加した場合、取扱量も連動し売上高が増加することに寄与します。
取扱商材の拡充
取扱商材を拡充することで品揃えを強化し、販売数量を増加させる場合です。
例えば、食品の中でも水産品しか取り扱っていなかった商社が、肉製品の拡充を進めたとします。
そうすると、拡充した分だけ展開市場が拡大し、幅広い需要に応えることで売上高が増加します。
取扱商材の拡充の場合は、不良在庫を抱えるリスクが存在するものの、顧客の需要を見極めた上での拡充であれば、事業規模の拡大につながるでしょう。
このいずれかによって売上高が増加した場合、当然利益面にも好影響をもたらします。
そしてこれを踏まえて、株価は上昇するのです。
1-3.コロナの影響でディフェンシブ寄りになるか?
新型コロナウィルスの感染拡大と原油価格暴落のダブルパンチを受けて、これまで好調な業績を続けてきた商社にも暗雲が立ち込めてくるかもしれません。
丸紅は、2020年3月25日に3,900億円の巨額減損を発表し、過去最大となる1,900億円の赤字への大幅下方修正を発表しました。
新型コロナウィルスの感染拡大による影響に加えて、原油価格の暴落が大きな理由としています。
2020年3月上旬に、サウジアラビアやロシアなどの産油国間での協調減産がまとまらなかったことから、原油価格はそれまでの1バレル40ドルから、1バレル20ドル台にまで暴落しました。
丸紅は、メキシコ湾や北海で石油・ガス開発事業を手掛けており、同事業だけで1,450億円もの下方修正を余儀なくされた形となっています。
今後、他の商社でも、新型コロナウィルスと原油価格暴落の影響による下方修正が発表される可能性があります。
ただ、その一方で、商社業界で利益率トップの伊藤忠商事など、資源には手を出していない商社もあるため、商社の中でも二極化が進みそうです。
商社株への投資においては、原油などの資源には手を出しておらず、業績が安定しているディフェンシブ寄りの銘柄が強みを発揮する局面になってくるかもしれません。
- 商社関連銘柄とは、「総合商社」や「専門商社」のことを指す。
- 取扱商材の需要増加や品揃え拡充による業績拡大が株価上層をもたらす
2.商社関連銘柄の推移
過去に上昇した関連銘柄と、その上昇理由を見ていきましょう。
2-1.製造業向け間接資材の品揃え拡充が奏功
まずご紹介したいのが、【3064】MonotaROです。
同社は、Eコマースやカタログを通じて製造業向け間接資材を販売しています。
間接資材とは、製造過程で必要となる軍手や工具などを指します。
各工場で製品を作る際に必ず必要とされる消耗品から、必要ではあるが使用頻度の低い商品まで、その内容は多岐に亘ります。
そのため、顧客が必要な時に必要な量を迅速に供給できるような体制を構築することが重要となってきます。
同社は年々品揃えの拡充を進めており、現在では1,500万点もの商材を取り扱っています。
顧客からすれば、急に必要となった間接資材をすぐに調達できる点で重宝すべき存在と言えるでしょう。
こうした施策が奏功し、同社は着実に既存顧客の利用頻度が向上し、販売金額を拡大させているのです。
また、広告戦略も強化することで新規顧客の獲得にも成功しています。
株式市場は同社の利益成長には従来から着目しており、過去6か月間の株価上昇率は60%程度と大幅な動きとなっています。
今後も同社の動向には注目が集まりそうです。
2-2.自動車・半導体関連需要増加が業績拡大の契機に
【7500】西川計測もご紹介したい銘柄の1つです。
同社は、計測・制御・分析機器分野の商材を取り扱う専門商社です。
国内外1,000社を超えるメーカーの商材を取り扱う品揃えの豊富さと同時に、顧客のニーズに合わせて最適な商材選定を行うコンサルティング能力が強み。
特に直近では、食品・薬品や半導体産業向けの分析機器販売や、自動車研究開発向け試験装置の増加が売上高の拡大に貢献しています。
同社の場合は、先程ご紹介した取扱商材の需要増加するパターンによる業績拡大が実現した一例と言えるでしょう。
株式市場は同社の業績拡大を織り込み、過去6か月間では28%程度上昇とこちらも大幅に上昇しています。
こうした業界からの引き合いは現在も強い状態が続いており、受注残高という形で今後の売上高増加に寄与することが予想されます。
同社への注目度は、今後も高い状態が続くかも知れません。
- 商材拡充を通じた業績変化に注目
- 専門商社として特化している分野の需要動向に注目
3.商社関連銘柄
銘柄 | 備考 |
【8058】三菱商事 | 国内5大商社の一角で三菱グループの中核。強みである資源分野は原料炭、銅、天然ガスへ集中し、非資源分野は安定収益を高め強化。 |
【8031】三井物産 | 三井グループの総合商社大手。生活産業、化学、金属など6つの事業分野に16の営業本部を置いている |
【8001】伊藤忠商事 | みずほグループの総合商社。祖業の繊維をはじめ、食料など生活消費関連の割合が大きい。商社で初めてコンビニに参画、傘下にファミリーマート。 |
【9909】愛光電気 | 独立系の電設資材を専門に取扱う卸売業者。修理や取付工事も行う。神奈川、小田原が地盤。LED照明、蓄電池などの省エネ商材に今後注力。 |
【3150】グリムス | 法人向け電気料金削減の電子ブレーカー・LED照明・冷媒ガス各種省エネ設備、スマートハウスにおける住宅用太陽光発電システムと蓄電池・オール電化の販売を両軸に展開。 |
【9818】大丸エナウィン | LPガス販売が主力事業。ガス販売に付随した住宅機器販売も行う。多角化で医療・産業用ガス事業やミネラルウォーター宅配も展開。2016年電力小売事業参入。M&Aに積極的。 |
【8070】東京産業 | 電力機械・化学機械・舶用機械、工作機械などの機械総合商社。三菱日立パワーシステムズと三菱商事が主要株主。海外展開を積極的に推進。 |
【3107】ダイワボウHD | ITインフラ事業を展開する「ダイワボウ情報システム」、繊維事業会社を統括する「大和紡績」、産業機械事業を展開する「オーエム製作所」の3社を主軸としたグループ経営体制。 |
【7500】西川計測 | 制御・情報機器システムを中心に計測器や分析機器などを取り扱う専門商社。横河電機グループや米アジレント・テクノロジーの代理店。 |
- 選別基準は、強みのある分野の需要増加と取扱商材数拡大が見込まれる銘柄
4.おすすめ商社関連銘柄
これから注目すべき商社関連銘柄についてご紹介します。
4-1.【3064】MonotaRO
市場 | 東証一部 |
業種 | 小売業 |
単位 | 100株 |
比較される銘柄 | 千趣会、ヤマダ電機、良品計画 |
注目ポイント | 取扱商材点数の拡充で売上高増加が期待出来る可能性 |
eコマースによる工場、工事、自動車整備用など間接資材の通信販売会社。
国内外の中小製造業を中心にワン・プライス主義、1,000万点の品揃え、300,000点の在庫商品が強み。
4-2.【7552】ハピネット
市場 | 東証一部 |
業種 | 卸売業 |
単位 | 100株 |
比較される銘柄 | バンナムHD、タカラトミー、ブロッコリー |
注目ポイント | バンダイナムコグループのキャラクターが人気化すれば、玩具などで販売拡大につながる可能性 |
バンダイナムコHDグループに属しており、主力の玩具卸は、圧倒的シェアを誇ります。
ゲームや映像、音楽においてもトップクラス。
株主優待も導入しつつ、高配当を出している貴重な銘柄です。
4-3.【8001】伊藤忠商事
市場 | 東証一部 |
注目ポイント | 非資源事業に強い総合商社。中国にも積極進出 |
原油安局面においては、非資源事業に強い伊藤忠商事がおすすめです。
同社は、業績・株価ともに好調で、2020年2月には上場来高値を更新しています。
直近では新型コロナウィルスによる世界株安で下げているものの、長期で見ると高値圏にあることは変わりません。配当利回りも4%近くあり、商社株の中でも長期投資におすすめです。
- 専門分野における需要増加のシナリオが想定しやすい銘柄に期待
5.まとめ
総合商社に比べると地味ではありますが、専門商社も十分株式の投資リターンを獲得することが出来る分野でしょう。
専門商社にはそれぞれの得意分野があります。
その分野における需要が増加しているのか、あるいは今後増加する可能性があるのか。
あるいは、得意分野で更に商材を拡充することで顧客のニーズに応えようという姿勢があるのか。
様々な分野で多くの企業が存在するため、銘柄発掘の作業は通常より大変でしょう。
しかしながら、様々なシナリオを思い浮かべて、時間を掛けて調査を進めていくのも、株式投資の1つの楽しみ方と言えます。
是非お好みの専門商社を見出しては如何でしょうか。
必読必須の厳選3記事